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ハイオクガソリンとレギュラーガソリン
自動車の燃料には、ガソリン、軽油、LNG(Liquefied Natural Gas)、LPG(Liquefied Petroleum Gas)、DME(Dimethyl Ether)等があります。
現在使用されている主な燃料は、ガソリンと軽油の2種類です。
ガソリンで国内で主に販売されているのは「ハイオクガソリン」と「レギュラーガソリン」の2種類です。
LNG・・液化天然ガス LPG・・・液化石油ガス DME・・・ジメチルエーテル
ハイオクガソリンは「無鉛プレミアムガソリン」 「無鉛ハイオクガソリン」、レギュラーガソリンは「無鉛ガソリン」「無鉛レギュラーガソリン」とも呼ばれています。
自動車のカタログ等で使用燃料の種類が表示してありますが、「無鉛プレミアムガソリン」「無鉛レギュラーガソリン」と表示されてることが多いですね。
自動車の給油口裏にも指定ガソリンのステッカーが貼られていると思います。
ハイオクガソリンとレギュラーガソリンの違い
一言で言えば「オクタン価」の違いです。
このオクタン価とは、ガソリンのエンジン内でのノッキング(エンジン内の圧縮行程において、点火のタイミングのずれによって発生する異常燃焼)の起こりにくさ(耐ノック性)を示す数値のこと。
この数値が大きいほどノッキングが起こりにくいということになります。
日本でのハイオクのオクタン価は一般的に98〜100、レギュラーで90〜92くらいとなります。
日本工業規格(通称JIS規格)ではレギュラーは89以上、ハイオクは96以上と定められています。
ハイオクガソリンの必要性
車種によっては、グレードで使用燃料の種類が違います。
何故、ハイオクとレギュラーを使い分けるのでしょうか・・・。
実はこのハイオクとはノッキングしやすいエンジンの為に必要なのです。
ノッキングしやすいエンジンとは圧縮が高い、燃焼温度が高い、つまり高性能エンジンのことです。
エンジンの燃焼室には外気とガソリンを混ぜ合わせた混合気が導入されます。
エンジンは高出力を得る為にこの混合気に圧縮をかけ効率を高める必要があります。
圧縮比が高ければ高いほど圧縮しただけで混合気の温度はより高温となり、過度に高温化した混合気は自己着火を起こしてしまいます。
つまりプラグ点火する前に勝手に着火してしまう、これがノッキング・早期着火です。
よって点火時期を遅らせても勝手に着火してしまわないように、高圧縮比のエンジンにはハイオクが必要とされているわけです。
ハイオクガソリンの歴史
「無鉛プレミアムガソリン」 「無鉛レギュラーガソリン」どちらも無鉛です。
では有鉛ガソリンもあるのでしょうか・・・。
昭和40年代までは燃料の精錬技術もまだ発達していなかった為、ガソリンのオクタン価を上げる為に「四エチル鉛」を添加していました。
しかし排気ガスに含まれる鉛は人体に非常に有害で、徐々に無鉛化へと動いていくことになります。
昭和50年2月1日生産分からレギュラーガソリンはオクタン価を下げることなく無鉛化されることになりました。
しかしハイオクに関しては、当時はオクタン価を約95以上にするには鉛に頼るしかなかった為、昭和62年に有鉛ハイオクが廃止されるまでは生産され続けました。
レギュラー仕様車にハイオク
高性能エンジンにははハイオクが使用されることが多い為、レギュラー仕様車にもハイオクを入れると馬力がアップすると思われる方も多いかもしれません。
しかし、ハイオクとは本来出力を上げるための燃料ではなく、圧縮比が高い高性能エンジンのノッキング発生を防ぐためにオクタン価を高めた燃料のことです。
レギュラー仕様車にハイオクを入れたからと言って出力が向上する可能性は少ないです。
また、ハイオクガソリンに含まれている添加剤による清浄機能の効果も謳われていますがその効果の程は定かではありません。
よって、ハイオクとレギュラーの価格差を考えるとレギュラー仕様車に積極的にハイオクを入れる必要性は少ないと思われます。
ハイオク仕様車にレギュラー
ハイオク仕様車にレギュラー入れた場合は出力が低下します。
このことは各メーカーの諸元表の注意書きに記載されていることも多いようです。
車種にもよりますが実測で5〜30%程低下するようです。
しかしメーカーはレギュラーガソリンを入れることも想定しており、その設定もプログラムされています。エンジンも設計段階から大きな安全マージンを取っており、レギュラーを入れたからといって、ノッキングが発生したり故障したりすることは通常の使用ではまずありません。
また、ハイオク仕様にレギュラーを入れる影響として、出力の低下の他に燃費の悪化も挙げられます。
これは、ノッキングの発生によるエンジンの過剰な加熱による破損を防ぐために燃料を増量させ、ピストンを加熱させないプログラムへと変更される為です。
以上、これらのことからガソリンはメーカーが指定した物以外を使用するメリットは少ないと考えられます。
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